これはやっちゃダメ!昔からの言い伝えウソ本当?

妊娠に関する言い伝え生まれてきた赤ちゃんに何かトラブルがあったとき、両親や周りの人がまず思うのは「なぜこんなことになったの?」ということでしょう。医学が発達していない昔はなおさらです。

それにしても昔の妊婦は「あれをしてはいけない」「これもダメ」と迷信にがんじがらめにされていたのです。今でも「ばあちゃんの知恵」的な感じで言われていることがあります。


おまけに、生まれてきた赤ちゃんに何か異常があると「あのときああしたのがいけなかった」と、みんなお母さんのせいにされてしまうのですからたまりませんね。それを思うと、医学の進んだ現代の妊婦は幸せです。それでも、理にかなったことはあるかもしれません。昔から言われてきたことをみてみましょう。

妊娠中によく言われる言い伝えと迷信

  • 妊婦は2人分食べろ
  • 妊娠中にお葬式に出てはいけない
  • 火事を見るとアザのある子が生まれる
  • 妊娠中に転ぶとアザのある子が生まれる
  • 産む前に産着を縫うな
  • 産後3週間は床上げをしない
  • 産後は水に触るな
  • トイレを磨くと綺麗な子が生まれる

妊娠中はおなかの赤ちゃんの分と2人分食べろ

妊娠の食事昔からよく言われてきたことですが、この言い伝えは現代においては間違いです。

今の日本は食べ物が豊富にありますが、人類の歴史は飢えとの戦いでした。ですから、おなかの赤ちゃんが順調に育つためにはせめて妊娠中に栄養をしっかりとらなくてはいけなかった。そこでこうした言い伝えが生まれたのでしょう。貧しい時代に妊婦を守り、健康な赤ちゃんを産んでもらうための知恵だったと考えられます。

しかし、現代では、妊娠したからといってそれほど摂取カロリーを増やす必要はありません。昔と違って今の日本には、手に届くところに高カロリーの食品がずらり。2人分も食べたら確実に肥満になってしまいます。

妊娠中の標準摂取カロリーは、妊娠初期は妊娠前よりプラス50kcal、中期でプラス250kcal、後期はプラス500kcalです。ちなみに6枚切り食パン1枚が145kcalですから、プラスするといってもそれほどたいした量ではないのです。

しかし「妊娠中はおなかも減るので、どうしても余計に食べる傾向にある」といいます。だからカロリーをプラスすることはあまり考えないほうがいいです。

一方、最近は「太りたくない」「赤ちゃんは小さく産んで大きく育てたい」と妊娠中にもダイエットをしたり、極端な食事制限をしてしまう人もいて問題になっています。こうした妊娠中のママの栄養不足は赤ちゃんの発育に影響します。

ママから十分な栄養をもらえなかった赤ちゃんは、少ない栄養でも生きていけるようにカロリーを貯め込もうとする遺伝子を発現します。そして生後「小さく産んだから大きく育てよう」とすると栄養過多で、大人になってから糖尿病や心臓病などの成人病(生活習慣病)になるリスクが高くなるというのです。

「成人病胎児期発症説」といわれる学説で、いまや広く世界、日本でも叫ばれるようになりました。つまり、妊婦のときには太り過ぎるのも、体重増加を抑えすぎるのも、どちらも赤ちゃんにはよくないということ。もともとの母体の体重にもよりますが、標準体重の人であれば7~12kgぐらい増えるのが理想です。痩せ型の人なら9~12kg増えていいのです。

1カ月に1kg程度の体重増加を目安に。そうすれば妊娠10ヵ月で10kg増になります。ふだんは、あまり体重を気にしないという人も、逆にダイエット志向の人も妊娠中は赤ちゃんのためにも適正な体重増加を心がけたいですね。

妊娠中にお葬式に出てはいけない

妊婦はお葬式にでてはいけないお葬式という死のイメージが強い場所に連れて行きたくないという気持ちもあるのかもしれませんが、昔はお葬式では、女性は何時間も炊事したり他の世話をこなしたりと労働しなければいけませんでしたよね。大家族の中では出産する年齢の女性は最下層の労働者でしたでしょうから、そのような重労働を軽くする為にいい伝えができたとも言われています。

また、家の中でもお寺でも何時間でも正座でしたし冬でも暖房もないこともあったでしょうから、あまり妊婦向けの場所とは思われないでしょう。喪服も着物ではきついかもしれません。

しかし、大変親しい親族だったり社葬など、お葬式に妊婦が全く出席できないと不都合がでるケースもありますよね。
その場合は「鏡をおなかの中に入れておくと(反射して)跳ね返す」という言い伝えがあります。参列する必要があればそれなりの逃げ道も用意されているのです。

「霊が魂を吸い取る」「鏡でそれを跳ね返す」などおどろおどろしい言い回しとは違い、生活に密着したその合理性に、諺も人が意図的に作っているんだなと思わせられます。

火事を見るとアザのある子が生まれる

火事人々が混乱する不幸で危険な火事現場付近で、妊婦さんが野次馬をしているのを愉快に思わない上、火消しや救済の手伝いを頼む訳にもいかないことから作られた諺でしょう。「妊娠中に転んだらアザができる」もそうですが、アザはよく妊娠中の言い伝えに出てきます。

もし、あなたが「妊娠中にこれをして欲しくない(またはしてして欲しい)」という行為を迷信を作ってコントロールしたいときにはどんな病気にしますか?あまり重い病気だと不安がらせすぎてデメリットだし、ウソだとすぐばれてしまいます。よく知られていない病名もNGです。多くの人が持ち、機能上あまり不都合のないアザなら「ちょうどいい」のではないでしょうか。アザができるとされる迷信が多いのもそれなりの理由があるように思います。

産む前に産着を縫うな

手芸昔は産後しばらくは布や綿でくるみ、お七夜などしばらく日にちが経ってから(地域によってさまざま)始めて産着を着せてそれを祝うものがありました。この伝承は妊娠から出産前後に赤ちゃんが亡くなったとき、親のダメージを少しでも減らせるよう工夫してできた諺だと思えます。昔の死亡率の高さがうかがえますね。

しかし、産む前に産着を縫わないと今と違って既製品もあまりない時代では産後に産着を縫うことになりますよね。「産後3週間は床上げをしない」という言い伝えによって産後は労働から保護されていますが、産んだばかりの母親が今しかないと産着を縫う光景が浮かびませんか。

産後は(人にもよりますが)体力が弱っていますので、栄養状態も現在と全く違う昔はあまり目を酷使してほしくなかったのかもしれません。私たちのおばあちゃん以前の世代が産後に新聞や本で目を「使いすぎる」とも考えにくいので(テレビもないし)目を使いすぎるのは裁縫のことではないかと考えます。

出産事情も衣服の用意の仕方も生活そのものがガラリと変わった今、この2つの言い伝えは終わろうとしているように見えます。(でも産後に目の使いすぎは気をつけてくださいね)

産後は水に触るな

産後は水に触るなこの言い伝えによって里帰りしない人が困惑した…という話も聞きますけど、以前は井戸水を運んだり、冷たい土間で朝早くから竈に火を入れてから始める食事の用意などの家事が現代より何倍も重労働でした。

私たちの親の代もそのまた親の代もさらにその上も生活様式そのものが変化し続けているのですから、親の体験がそのまま次に繋がらることは難しいかもしれません。言い伝えのような知恵も一世代で変わってしまうのなら、役に立ちにくいかもしれませんね。

「水に触ると血の道が狂う」とも言われますが、「血の道が狂う」というのは自律神経失調症様の症状を指します。ホルモンバランスが乱れ更年期が早くくるともいわれていますが、要は産後はゆっくり休みなさいということですね。

トイレを磨くと綺麗な子が生まれる

トイレ掃除今の洋式トイレでなく、和式トイレは床面と同じ高さにあって、これを掃除することは、しゃがむ姿勢をとることになります。昔は腰を曲げた仕事をすると安産になるといわれていました。当時は汲み取り式のトイレで匂いも強烈でした。それを我慢してこうした姿勢で掃除をすることで、妊婦の母性に訴えかけると言われていました。

また、便所は体の中から出た分身をためておく神聖な場所で、これを清めるということから綺麗でかわいい子が生まれるという意味もあったようです。トイレは清潔のためにも綺麗にしておいたほうが良いにこしたことはありません。

まとめ

言い伝えを上手に利用

プレママラボ
上のように迷信や言い伝えには「こうして欲しい」という希望の部分と脅したりハッピーなことがおこると言うようなアメと鞭の部分があるように思います。
せっかくの先人の考えである知恵や意図は汲んで「アメと鞭」の部分には過剰に振り回されないのが言い伝えを利用するコツかなと思います。



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