陣痛について教えて

いよいよお産お産の準備が整うと「いよいよお産が始まりますよ」というサインが現れます。陣痛がそのひとつです。
ここまでくると、お産の開始が間近になってきます!
自分なりの陣痛の乗り切り方をイメージトレーニングしておくといいでしょう。

陣痛を知ろう

陣痛とは、規則的に起こる子宮の収縮のことで赤ちゃんを押し出す力になります。最初は不規則な痛みやおなかの張りが、徐々に規則的な痛みに変わっていきます。


前駆陣痛

不規則に起こる陣痛に似た痛み

お産が近くなると、それまで感じていたおなかの張りとは違って、もっとおなかがかたくなり、少し痛いように感じることが増えてきます。このだいぶ強い子宮収縮が前駆陣痛。本物の陣痛との違いは、起こるのが規則的ではないことです。おなかが痛み「いよいよ陣痛か」と覚悟をしたものの、くり返し痛むようなことはなくて「なーんだ違ったのか」で終わってしまう。多くの妊婦さんがそんな経験をします。

前駆陣痛は、いってみれば陣痛の準備運動のようなもので、誰にでも起こるものです。しかし、張りとか痛みというのはあくまで妊婦さんの感じ方なので、同じように子宮が収縮していても、あまり感じない人もいれば、すごく痛いと感じる人もいます。ただし、痛みの質としては、下痢のような痛みとは明らかに違い、おなかの下のほうの生理痛のようなものと表現する人が多くいます。また、基本的には不規則だった子宮収縮が段々規則的になってお産の開始に至るわけですが、準備の日数もプロセスも個人差があります。

こんな時はすぐ病院へ!

立てないほどに痛みが強かったり、おなかがカチカチに張っていたりしたら、それは陣痛でも前駆陣痛でもなく急を要する事態が起こっている疑いがあります。すぐに病院へ行きましょう。

思わぬときに陣痛が始まったら?

ひとりの場合

お産開始のころの陣痛の痛みは、それほど強いものではありません。ふつうに行動できますから、ひとりでも大丈夫。パパや実家などに電話をしてから病院に行きましょう。母子健康手帳、診察券、健康保険証、タクシー代程度のお金だけ持って行き入院用に用意してある荷物は、あとでパパに持ってきてもらってもいいでしょう。

夜中の場合

お産を取り扱っている施設では、24時間対応してくれるので夜中でも大丈夫。状況によって、すぐの入院や朝になってからの入院を指示してくれるでしょう。タクシーの場合、夜中は無線で呼んだほうが確実。あらかじめ何社か無線タクシーの電話番号を調べておきましょう。自家用車を家族に出してもらう場合は焦らずにスピードなど交通ルールは守ること。飲酒したあとなら、もちろん車の運転はNG。タクシーを利用しましょう。

外出先の場合

臨月になったら、どうしても行かなければならない事情がない限り、遠出は避けましょう。外出先で陣痛が始まっても、慌てずにまずは病院に電話を。すぐに来るように言われたらタクシーで向かいますが、自宅に戻ってと言われることも。ただし、外出先には母子健康手帳、診察券、健康保険証を必ず携帯しましょう。破水に備えて大きめのタオルもバックに入れておくと万全です。
ところで、陣痛タクシーの存在をご存知ですか?陣痛の妊婦さんを乗せてくれない一般のタクシー会社もあるんです。
そんな時に慌てないためにいざという時に安心!妊婦さん専用陣痛タクシー一覧を参考に事前に登録しておくことをオススメします。

こんな時はすぐ病院へ!

破水とは、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて羊水が流れ出ること。通常は、お産が進んで子宮口が全開大になるころに起こります。ところがそれが、陣痛が始まっていないのに起こることがあります。それをきっかけに陣痛が始まることが多いので早期の時期だと心配ですが、臨月に入っていれば、もういつお産になっても大丈夫なので大きな心配はありません。
しかし、破水したらすぐに病院に行かなければいけません。特に、逆子と診断されていて破水した場合は救急車を呼んででも病院に急行してください。赤ちゃんより先にへその緒が出てきてしまうと非常に危険なためです。
逆子でなくても、破水後の入浴は感染の危険があるので禁止。シャワーなら構いませんが、敢えて浴びる必要はありません。大きなバスタオルなどを当て、できれば横になった状態で車で移動します。体を起こしていると羊水がどんどん流れ出てしまうためです。
病院に着いて、すぐに感染予防の処置をしたら、ひとまず安心です。自然に陣痛が始まり、順調にお産が進むことがよくあります。しかし、自然に始まらない場合には、陣痛促進剤を誘発する薬を用いることがあります。

【破水と尿やおりものとの見分け方】
羊水は少し生臭い特有のにおいがあります。しかし、子宮の高い位置の卵膜が破れた場合(高位破水)には流れ出る羊水の量が少なく、尿もれやおりものと区別がつかないこともあるかもしれません。わからなければ受診して確かめてもらったほうが安心です。

陣痛

陣痛は赤ちゃんを押し出す規則的な子宮の収縮

痛みの始まりから次の痛みの始まりまでを計ると、10分間隔か1時間に6回起こるようになった時がお産の始まり。この時点ではそれほど強い痛みではなく強い張り程度に感じることもあります。ただし、少し前までの前駆陣痛とは確かに違う強さに感じられるはずです。
陣痛かなと思ったら、時計を見て間隔を計りましょう。きっかり10分間隔でなく多少の長短があっても、1時間計ってみて6回あれば、病院に電話を入れます。ただし、経産婦さんの場合は、一気にお産が進むこともあるので陣痛が15分間隔、または1時間に4回来るようになったら念のために一度病院に電話で知らせましょう。

入院は無理のないタイミングで。慌てなくても大丈夫

入院
陣痛開始から出産まで、初産婦さんで12~15時間、経産婦さんでは、その半分の6~7時間ぐらいかかるのが一般的。お産は時間がかかるものなのです。ですから、陣痛が始まっても早く入院しなければと慌てなくても大丈夫です。破水していなければシャワーや入浴もOKです。
産院に電話で状況を伝えると「すぐ来てください」とか夜中であれば「朝になって入院すればいいですよ」などと指示してくれます。陣痛の間隔が初産婦さんで7~10分、経産婦さんで10~15分の頃に入院を勧められることが多いようですが、その時点での時刻や自宅と産院との距離なども考えて無理のないタイミングを考えます。

【前駆陣痛との見分け方】

  • 陣痛は痛みの強さが違う
  • 陣痛は収縮の強さが前駆陣痛とは違います。さっきまでとは違う感覚に気がつくでしょう。

  • 陣痛は痛みが規則的
  • 前駆陣痛は痛みが不規則に起きますが、陣痛は規則的です。また、ずっと痛み続けるのは陣痛ではなく別の原因によるもの。痛みとお休み合わせて10分以内で、それが規則的にくり返されれば、お産の始まりです。

    【陣痛の間隔の計り方】ー痛みの始まりから次の痛みの始まりまでを計るー
    子宮が収縮していて痛みがあるときを陣痛の「発作」、収縮していなくて痛みのないときを陣痛の「間けつ」といいます。
    「陣痛の間隔」とはお休み時間である間けつの分数ではなく、発作と間けつを合わせた分数のこと。痛み始めたときから、次の陣痛が痛み始めたときまでを計ります。
    その発作と間けつのセットが約10分で規則的にくり返されるか、または1時間に6回あれば、お産の始まりなのです。間けつが10分で始まりだと思ってしまうと、まだ本物の陣痛ではなく前駆陣痛だったということも起こりがちなので気をつけましょう。

    お産の始まりとは、陣痛が規則的に10分間隔、または1時間に6回来るようになったとき!

    • 分娩第1期その1 子宮口0~3㎝開大のとき
    • 陣痛の間隔:8~10分 陣痛の持続時間:15~20秒 この時期の長さ:7~8時間
      最初に10分間隔で来るのを確認したときから、ほとんど短くなっていないことも多いでしょう。
      下腹部から腰が重く、生理痛のような痛みを感じます。
      この時期は子宮口の開き方もゆっくり。陣痛も長い時間かけて少しずつ強くなっていきます。
      痛みが軽いうちはリラックスして過ごす
      入院時の診察や分娩監視装置でのモニターの結果、特に心配な点がなければ周りの人に迷惑にならない範囲で自由に過ごしてOKです。まだ陣痛の痛みも強くないころから呼吸法などをがんばりすぎると疲れてしまいます。
      でも妊娠中にレッスンした痛みをやわらげる方法などを余裕のある今のうちに復習しておくのはオススメです。ウトウトしたり軽食をとったりして、スタミナを蓄えておきたい時期です。

    • 分娩第1期その2 子宮口3~8㎝開大のとき
    • 陣痛の間隔:5~6分 陣痛の持続時間:30~40秒 この時期の長さ:3~4時間
      だいぶ間隔が短くなってきますが、お休みの時間のほうがずっと長いということを意識して。
      痛む位置が下がってきて、腰や足の付け根のほうが痛いという人も。吐き気を感じることも。
      この時期を過ぎれば、赤ちゃんが生まれるまでの時間の3分の2くらいは経過。
      陣痛の合間には歩いたり入浴しても
      陣痛の間隔が短くなり、収縮に伴う痛みも段々強くなってきます。でもそれは、お産が順調に進んでいるということ。「いい陣痛だ」とプラスにとらえ「この調子なら乗り切れる」と前向きに考えると、痛み自体の感じ方がやわらぐものです。陣痛の合間には、ちょっと廊下に出てみても。気分転換になりますし、立って動くと重力のおかげで赤ちゃんが産道をおりてきやすくなります。
      お風呂に入るのもオススメ。特に腰の痛みがラクになり体が温まると、お産の進行が早まることもあります。

    • 分娩第1期その3 子宮口8~10㎝開大のとき
    • 陣痛の間隔:2~3分 陣痛の持続時間:50~60秒 この時期の長さ:1~2時間
      強くなってきた陣痛がひっきりなしに来るように感じますが、お休みのときは脱力を。
      肛門が圧迫されて、いきみたくなってきますが、長く吐く呼吸で強くいきまないようにします。
      一番つらいとき。ここを乗り切ればもうあと一息と自分に言い聞かせてがんばりましょう。
      痛みが強くなったら吐く息で逃して
      陣痛はますます強くなり、しかも次々にやってきます。痛いとき、ふつうならこらえようと体をかたくしてしまいますが、力を抜くと痛みがやわらぎます。吐く息に集中して力を抜きましょう。
      子宮口が全開に近くなってくると、今度は自然にいきみたくなってきます。でも、開ききっていない子宮口に負荷をかけないように未だ思い切りいきむことはしません。
      またこのころに、赤ちゃんを包む羊膜が破れて羊水が流れ出る破水が起こります。正常な経過なので慌てずに助産師さんに知らせましょう。

    • 分娩第2期 子宮口全開大(10㎝)
    • 陣痛の間隔:1~2分 陣痛の持続時間:60~90秒 この時期の長さ:1~2時間
      陣痛と陣痛の間はアッという間に感じられますが、少しの間でも力を抜いてラクにしましょう。
      陣痛が来ている時にいきんで赤ちゃんを押し出します。思い切りいきむのは気持ちいいはず。
      ゴールまであと一歩。助産師さんからの、いきむ、いきまないの指示によく耳を傾けましょう。
      タイミングのいい、いきみとリラックスで赤ちゃん誕生
      子宮口が全開大になったら、分娩台に移動します。お産の姿勢になったら、少しでも赤ちゃんが産道を通りやすくなるように、太ももや会陰部の力をゆるめてリラックス。陣痛がきて赤ちゃんが進もうとするときには、ママもいきんで押し出す力を加え協力します。陣痛の合間はママも赤ちゃんもお休み時間。ママが休むと赤ちゃんに酸素がたっぷり届きます。わずかな休みの間に2人とも力を回復しましょう。
      そしていよいよ赤ちゃんの頭が出てくるとき、そこではもういきみません。むしろ力を抜いてゆっくり出てきてもらうことにより、ママの会陰部にかかる負荷が小さくなります。頭が出ればあとはもう、スルリと通り抜けるように全身が現れ待ちに待ったご対面です。

    陣痛を乗り切るポーズ

    姿勢を変えると骨盤の形も変わりラクなだけでなく、お産が順調に進むようになることも。ラクになる姿勢のバリエーションを覚えておきましょう。

    枕やクッション

    抱き枕を抱く

    おなかの大きな妊婦さんに抱き枕は人気です。やわらかいものを抱いているとリラックスできるのです。
    病院に抱き枕が用意されていることはあまりないので、これがラクそうと思う場合は入院グッズの中に加えて。毛布を丸めて代用してもいいですね。

    上体をあずける

    うつ伏せでおしりを高く上げる姿勢。おなかの重みから開放されて腰がとてもラクになります。上体は座ぶとんなどにあずけて。
    おしりを高く上げたほうがラクなら座ぶとん1枚で。3枚ぐらい重ねてもたれたほうがラクという場合もあります。

    足の間にはさむ

    横向きに寝るシムスの体位は、腰の痛みがラクになる姿勢です。このとき足の間に大きめの枕やクッションをはさむと、さらにリラックスできます。座ぶとんを2つに折ってはさんでもいいでしょう。

    バランスボール

    足を開いて座る

    大きく足を開いてバランスボールの上に座ります。ボールの中の空気が反発して会陰部が押され、おなかの下のほうが痛いときにラクになります。足を開くことも、お産を進めるのに効果があります。
    両足を思い切って外側に向けたほうがラク。滑り落ちないように、足の裏でしっかり床を踏みしめましょう。

    上体をあずける

    床にひざをつき、バランスボールにひじから下を置いてかがみます。ボールの弾力に自然に身をまかせているといい気持ちです。

    背もたれ椅子

    座面にもたれる

    床にひざをついてかがみ、椅子の座面にひじから下を乗せてもたれます。顔は、自然に腕の上に。時々向きを変えます。このまま腰を高く上げるのもラクな姿勢です。

    逆座りする

    椅子の本来の向きとは逆向きに座ります。足を大きく開くことになるのがラクなところ。産道を広くしてくれます。足を開き座面をまたぐように。上体は背もたれを抱きかかえるようにします。

    背もたれ椅子に普通に足を閉じて座るのは腰が痛むときには、つらい姿勢です。

    パパといっしょに

    パパと

    あぐらの上にあぐらで座る

    あぐらをかいたパパの両足の間に、スポンとはまるような感じで座ります。ママもあぐらをかいて。痛みが下のほうに下がってきたときに、パパの足が押してくれることになりラクになります。パパはママのおなかをさすってあげましょう。
    同じ姿勢で手をつなぐのも安心できてリラックス効果が。片手をつなぎ、パパは空いているほうの手でママのおなかや太ももをさすってあげても。

    パパの肩に手をつく

    向い合って立ち、パパの肩に手をつき上体を曲げます。腕をストレッチするようにピーンと伸ばすとラク。首の力を抜いてダランと腕の間に落とします。このまま腰を左右に動かしたり回したりしても。パパがいなければ壁に手をついてでもできる姿勢です。

    後ろから支えてもらう

    ママは両足を大きく開いて立ち、パパが後ろから支えます。前に倒れる心配がないのでママは軽くひざを曲げ前傾姿勢に。両ひざを外に向けて曲げるようにするとラクです。

    立ってパパにしがみつく

    向かい合って立ち、ママは中腰の姿勢でパパの首にしがみつきます。パパはママの腰を強くさすってあげましょう。パパの後ろからしがみつくのも安定感があってリラックスできます。

    立てひざでパパにしがみつく

    立てひざで向かい合い、パパの首にしがみつきます。このまま腰を左右に動かしても。パパはママの腰を強くさすってあげます。立ってのしがみつき同様、これもパパの後ろからしがみついてもいいでしょう。

    陣痛をやわらげるタッチ&マッサージ

    ママを大切に思っている人がそばにいて、なでたりマッサージしてくれることが陣痛を乗り切るときの大きな力に。陣痛に負けない強い力をパパからもらいましょう。

    タッチ

    手を握る

    気持ちを込めて手を握って。力が入っていたらブラブラしてリラックスさせてあげます。

    顔や頭にタッチ

    顔や頭が緊張していることも多いもの。触れてもらうと、力が抜けます。

    おなかをマッサージ

    おなか全体をマッサージ

    1、ママは足を開いて椅子やベッドの端に、パパはその前のマッサージしやすい位置に座ります。
    2、陣痛が来そうになったら、おなかの下のほうに両手を当てて準備します。
    3、陣痛が来たら「1、2、3」で鼻から息を吸うのに合わせて、おなかの外側をくるんとさすり上げます。
    4、次にゆっくり口から息を吐くのにスピードを合わせて、おなかの上から下に向かってさすります。陣痛が治るまで、呼吸に合わせてこれを続けます。

    そけい部をマッサージ

    そけい部(足の付け根の内側)が痛む時は、その部分をさするようにマッサージします。痛みが強ければ、指で押した方が気持ちいいことも。

    テニスボール

    腰を押す

    腰の痛むところをテニスボールで押します。どこが気持ちいいか聞きながら。
    2個のテニスボールで背骨の両側を押した方が効くこともあります。

    強く押す

    骨盤を左右から押す

    ママは四つん這いになり、両足はラクな幅に広げます。パパはママの後から手のひらを広げて左右から骨盤に当て、強く押します。

    痛む部分の背骨のすぐわきを押す

    両手両ひざをついた姿勢のママの後ろから、親指の腹で背骨のすぐわきを強く押します。背骨そのものも一緒に押すぐらいの位置を。痛む部分はそのときによって違うので、ママに位置を聞きながら。

    太ももをマッサージする

    横を向いて寝たママの太ももを、手のひらでマッサージします。指でなく腹の部分を使って筋肉をほぐすように押しもみを。

    骨盤をつかみ押しする

    横を向いて寝たママの後ろから、骨盤をギュッと強くつかみ押します。「ギューッギューッギューッ」とテンポよくしたほうがいいか、1回をもっと長く押したほうがいいか、ママに確認しながら。両手でつかむようにすると効果的です。

    陣痛の不安解消相談室

    Q、陣痛でつらいとき、声を出してはいけない?
    A、静かにじっと耐えながらお産するほうが立派と考えるのは、どうやら日本独自の国民性のようです。赤ちゃんを産み出すだけでも十分に立派なこと。リラックスしてお産を進めるためにも自然な呼吸の中で出てくる声をこらえたりしなくていいのです。
    ただし「キーッ」というような高い声は、あまり出さないほうが良さそうです。その自分の声や叫ぶという行為でかえって、興奮が高まってしまう傾向があるからです。

    Q、陣痛中も眠れるの?眠ってしまって陣痛が遠のかない?
    A、お産のとき、ウトウトして眠くなるようなことはよくあります。我慢して起きていようとしなくても構いません。何時間も眠る人はいませんが、少しでも拾い寝ができたら体力が温存できます。
    また、眠ってしまっても、その間に陣痛がストップするようなことはありません。お産の中盤で陣痛があまり強くならないまま長引いているような時に疲れて眠くなることもありますが、眠って少し疲れが取れると、またお産が進み始めることもあるくらいです。
    さらに、お産の終盤、強い陣痛がひっきりなしに来てつらいはずなのに、お休みのときに眠気に襲われることも。これは痛みに対抗して分泌されるβーエンドルフィンという、自然の痛み止めのような脳内物質のおかげ。またすぐ陣痛で起こされるとは思いますが、ウトウトの気持ちよさに身をまかせましょう。

    Q、呼吸法がきちんとできないと陣痛を乗り切れない?
    A、ふつうに呼吸しているだけでは陣痛を乗り切れないということはありません。ただ、少し意識して深い呼吸をするだけで、随分陣痛の痛みをやわらげることができるのは本当です。人間の体は、息を吐くときに力が抜けて痛みを軽く感じます。それを利用したのが、お産における呼吸法。原理は簡単なので陣痛の痛みがつらくなったら、とにかく難しいことは考えずに、大きく吸った息をゆっくり長く吐くことだけに集中してみてください。
    それでもお産のときは、どうしても冷静さをなくして、準備していたはずのことができないということもよくあります。そんなときは、きっと助産師さんがアドバイスしてくれますから心配しないで。

    Q、浣腸すると一気に陣痛の痛みが加速するって本当?
    A、お産のときに浣腸をする目的は2つあります。ひとつは腸を空っぽにして少しでも赤ちゃんの通り道である産道を広くすること。もうひとつは陣痛を強めることなのです。腸が浣腸によって蠕動運動(便を出すための動き)を起こすことによって、すぐそばの子宮も刺激を受けるためでしょう。しかし、痛みが強くなることを恐れないでください。陣痛が強くなるのは、お産の進行にとって必要なことなのです。
    ただし、浣腸は、お産のときに必ず行うとは限りません。病院や医師、助産師の方針にもよりますし、その効果からいって、お産の進み方が早ければ必要ないこともあります。

    陣痛中のトラブル

    陣痛
    お産は初産婦さんで12~15時間が平均。でもママの骨盤の状態や胎児の動き、そして陣痛の力がかみ合わないと長引くことがあります。

    陣痛が弱い

    症状・原因

    陣痛は順調ならば段々と強くなって子宮口を開かせていきますが、弱いままの状態が続くとお産が進みません。これを微弱陣痛と呼んでいます。微弱陣痛の原因になるのは、ママの肥満や巨大児、多胎、羊水過多など。子宮の筋肉が疲労し弱っているために起こります。妊娠高血圧症候群や過労、睡眠不足も原因になります。お産が長引くと、それだけでも疲れが生じ陣痛が弱くなるという悪循環にも陥りがちです。

    対処・ケア

    横になってじっとしているより、歩いたり階段を昇り降りすることで陣痛が強まることがあります。また乳頭を刺激すると子宮を収縮させるホルモンのオキシトシンが分泌され陣痛を促進します。浣腸にも陣痛を促す効果があります。破水すると一気に陣痛が強くなることもあるので、人工破膜といって卵膜を器具や医師の指で破る処置を施すこともあります。また、オキシトシンやプロスタグランジンといった陣痛促進剤を少しずつ投与し陣痛を強めるきっかけを作ることもあります。

    予防

    妊娠中、太り過ぎないようコントロールすること。また、出産前に疲れ過ぎないようにします。普段から軽い運動をして体力をつけておきたいものです。

    陣痛が強すぎる

    症状・原因

    子宮口の開き具合に対して陣痛が強すぎるもので、過強陣痛といいます。痛いだけでなく子宮にも赤ちゃんにも負担がかかり過ぎて心配です。起こる可能性があるのは主に陣痛促進剤を使用したとき。また、赤ちゃんの頭がママの骨盤のサイズに対して大きくなかなかおりて来られないと起こることがあります。ですが、赤ちゃんがおりてこないと逆に陣痛が止まってしまうことも。どうお産が進むかは予測しにくいものなのです。

    対処・ケア

    急に強い陣痛が来るようになったら、すぐ医療スタッフに告げましょう。部屋にいなければナースコールを押して。陣痛促進剤を使っていた場合は中止して様子を見ることになるでしょう。医師や看護師は、分娩監視装置で陣痛と赤ちゃんの心拍数を確認します。赤ちゃんが陣痛のストレスで弱ってきていたり子宮破裂の心配があるときは帝王切開に切り替えることがあります。

    予防

    陣痛促進剤の使用で起こる可能性があると聞くと不安になりますが、通常この薬は自然な陣痛がゆるやかに強まるのを手助けするものです。むやみに怖がらず、医師が使用を勧める場合には、よく説明を聞きながら判断しましょう。

    子宮口がなかなか開かない

    症状・原因

    子宮口は妊娠中には、かたく閉じていますが、お産が始まると徐々に開き始め陣痛の間隔が短くなるにつれ開いていきます。最終的には赤ちゃんが通ることができる約10㎝の広さになります。ですが、時間の経過と共に順調に開かないことがあります。主に陣痛が弱いとそれが起こりますが、子宮口自体がかたくて開きにくいことも。高年初産の場合、このためにお産が長引く傾向があります。

    対処・ケア

    陣痛が弱くて子宮口が開かない場合は、陣痛の力を強めて赤ちゃんをプッシュし閉じ気味の子宮口を開かせるのが効果的です。微弱陣痛の処置と同様、歩いたり階段の昇り降りをしたり、人工破膜や陣痛促進剤で陣痛を促すようにします。ママがあぐらをかいたり両足を開いてしゃがんだ姿勢になるのもいいでしょう。全開大まであと少しのところで止まってしまっているときは医師が内診し指で補助することもあります。

    予防

    特にこれといった予防策はないですが、陣痛が弱いと起きがちなので、そうならないように体重をコントロールしたり、疲れないように心がけましょう。

    陣痛が来たら、いよいよ待ちに待った赤ちゃんとのご対面です!
    お産はママと赤ちゃんが協力して成立するもの。パパはママと赤ちゃんへの労わりを忘れずに!



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